聖人カレンダー
1月3日 イエスのみ名
「イエス」という名は、ヘブライ語の一般的な名前である「ヨシュア」にあたり、ギリシャ語化したものは「イエスス」である。ヘブライ人にとって、名前は重要な意味を持ち、特にその人が果たすよう託された使命と結びついていた。マタイ福音書には、ヨセフの夢に天使が現れ、「イエス」と名付けるように告げられたことが記されており(マタイ1.21)、「イエス」は「主は救い」という意味である。
「イエスのみ名」に対する信心は初代教会の時代からあった。中世にクレルヴォーの聖ベルナルドは、著書『雅歌について』のなかで、「流れるその香油のようにあなたの名はかぐわしい(雅歌1.3)」という箇所をイエスのみ名と関連づけて、美しく説明した。こうして彼は、み名に対する信心の基礎を作り、多くの人びとに影響を与えた。
アシジの聖フランシスコは、イエスのみ名に対する崇敬に熱心で、フランシスコ会においてさかんになった。シエナのベルナルディノは、苦しみに打ち勝つためにイエスのみ名を呼んで祈り、人びとにも薦め、病気がいやされるなどの奇跡が起こった。この信心はフランシスコ会やドミニコ会によってさかんになった。「み名の連願」はシエナのベルナルディノとフランシスコ会原始会則派の総長代理であった、カペストラノのヨハネによって作られたと言われている。
1530年、クレメンス7世はフランシスコ会に、教会の祈りにおいて、「イエスのみ名の典礼」を唱える許可を与えた。2002年、ヨハネ・パウロ2世は任意の記念日として典礼暦に加えた。