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女子パウロ会ニュース
東京教区修道女連盟 新年研修会
「ユスト高山右近という生き方 -神にささやく人の覚悟と地平」
2017.01.11
毎年正月早々に、東京教区に住む各修道会のシスターたちが200~300名集まり、「東京教区修道女連盟の新年研修会」が行われます。今年も、1月7日(土)に、四ッ谷のカトリック麹町(聖イグナチオ)教会ヨセフホールを会場にして行われました。今年は、2月7日に列福される「高山右近」について、長崎教区の古巣馨(ふるす かおる)神父から、「ユスト高山右近という生き方」と題して、右近の信仰と生き様についてお話をお聞きしました。
集いの前に、東京教区の岡田大司教の司式によるミサが行われました。
古巣神父は、「高山右近が列福されるのは、いま、必要とされる人だから」という言葉で始まりました。右近が生きた時代を、日本だけでなく世界の中に置き、戦国大名でありながら信仰の道を選らんだ道筋を浮き上がらせました。
ユストという洗礼名のように、「義の人」ととらえられていました。古巣神父は、東日本大震災のとき、なんども流れた映像の中で、ある人々の姿が心に焼き付いていると言います。自分たちは逃げることができたのに、逃げ遅れている人がいることを見て、高いところから降りて行った人々です。それは、民生委員であり、消防団の人々であり、役場の人たちでした。「あの人たちがいたおかげで、人間は救われた。あの人たちは、いのちよりも大切なものがあることを、身をもって教えてくれた。いのちの神秘に触れた人々。ああ、ここに高山右近がいる」と、直観したと言います。
高山右近は、「後の人」から、「降りて行く人」へとなりました。世界は右傾化していますが、自分さえよければという風潮が強くなりつつある世界の中で、神は負け組の右近をとおして神秘を示していると、古巣神父は、感動的に右近の世界へと導いてくださいました。
ヨセフホール | 古巣神父 |
右近の人生を4つに区切り、さらに、出会い、苦しみ、復活という3つの神秘に抱かれている右近の人生を示されました。また、日本に来た宣教師たちの霊性として、ヨーロッパの社会の動きから、日本の信徒たちがなぜ信仰を保つことができたのかを説明してくださいました。
信仰者としての高山右近の姿を、はっきりと指し示してくださった古巣神父のお話でした。2月7日に列福されることを感謝し、この時代に右近が列福される意味を深めながら、列福を機に右近の信仰が多くの人々に伝わりますようにと祈ります。