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女子パウロ会ニュース
宣教のために車で走ったSr.石井が天国へ
2022.03.02
2月27日の午後、中井富士白苑に入所していたシスターマリア・ジュスティーナ石井朝子が、老衰のため亡くなりました。92歳でした。
今年の2月に入って、老人福祉施設に入所している数人のシスターが新型コロナウイルスに感染したとの連絡がありました。いずれも軽症ですが、高齢なので、もしものことがあるかもしれないと心配していました。その中で、同じ施設にいたシスター石井だけは感染しなかったので、よかったと思っていました。数日を経て、どのシスターも回復したということでしたが、思いもかけず、安全だったシスター石井が亡くなり、驚きました。
シスター石井が聖パウロ女子修道会と知り合ったのは、家庭宣教をしているシスターと出会ったのがきっかけでした。イタリア人のシスターと日本人のシスターが、世田谷にある彼女の家を訪問しました。そのとき彼女は、購入した本と一緒に手渡された一枚のパンフレットがとても気に入りました。友人にもそのパンフレットをあげたいと思い、パンフレットに描いてある住所を訪れたのです。シスター石井は、パンフレットに書かれている創立者の言葉にひかれました。さらに彼女は、修道会のパンフレットを、家の近くにある高校生たちの下校時に配布しました。こうして1952年、聖パウロ女子修道会に入会しました。
シスターになってからの最初の使徒職は、家庭宣教でした。「創立者は、困難な時でも、いつも祈りとみことばとご聖体で自分たちを導いてくれる方だと思いました。聖パウロのようにありなさいとか、いろいろのことを教えてくれました」と、創立者に信頼して、一軒一軒、祈りをこめて家庭を訪問し、書籍を紹介し、チラシを残してきました。彼女は次のように言っています。「聖パウロの『わたしは洗礼を授けるためではなく、福音を宣べ伝えるためにきた、福音を宣べ伝えるというのは十字架につけられたキリストを告げ知らせるため』という生き方ということに魅せられ、それが勇気を与えてくれました。十字架につけられたキリストを宣べ伝えるのだから、苦しくても、イエス様は十字架から降りなかったので、わたしも降りずに生きていかなければならないと思えば、困難が乗り越えられました」と。
大阪、長崎、福岡など、全国各地で車を運転して宣教活動をしましたが、アルツハイマー病になり、共同体での生活が困難な状態になりました。2019年からは、施設で生活していました。
葬儀ミサ
葬儀ミサ
生涯をとおしてのシスター石井の宣教の熱意を、わたしたちにもいただきたいと思います。