新年号
新年にあたり、皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。
新年第一弾は、社会教説に興味を持っていただくために、話題の映画をご紹介いたします。
『キャピタリズム~マネは踊る~』(監督:マイケル・ムーア)
一昨年から昨年にかけて、わたしたちはアメリカ発世界同時不況の深刻な影響を目の当たりにしました。その特徴は、マネーゲームからもっとも縁遠い人々が失業し、住居を失い、生存の危機に立たされたことでした。危機は、社会でもっとも弱い立場におかれている人々を襲います。この日本で、おなかを空かし、病院にも行けない子どもたちがいるのです。規制緩和の促進やセーフティネットの不備などの失政を指摘する声もありますが、問題の根っこは、倫理的観点からみた「経済とは何か」という理念の欠如であると思います。
経済活動(売買、労働、投資など)は人間が人間の尊厳にふさわしく生きるためにあり、私有財産権(所有権)も人間の生存を保障するために認められるものであって、経済活動や所有権が人間の尊厳を踏みにじるようなことがあってはなりません。
標題の映画は、カトリック信徒でもあるマイケル・ムーア監督が世界同時不況を題材として、資本主義とカトリック倫理を取り上げた映画です。神父や司教へのインタヴューも収録されており、教会の社会教説を知る機会として、是非ご活用ください。
なお、この映画は11月22日付『カトリック新聞』においても紹介されています。
※上映情報等については、
http://capitalism.jp/
をご参照ください。