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シスターテクラ・メルロ
第2回 主のためにもっと何かしたい!
テレサ・メルロが開いたカスタニートの作業場は栄え、その名は村の外にまで知れ渡っていました。少女たちは喜んで作業場に通い、テレサのうちに、最良の裁縫の師の姿と、同時にすぐれたキリスト者の模範を見ていました。
テレサは、村のカテキスタ(キリスト教要理を教える人)としても活躍し、深い確信をもって、愛する信仰、滋養に富んだ霊の糧である信仰を伝えました。彼女の青春は充実したものでした。しかし、彼女自身は、それで満足せず、何かもっと徹底的なものを求めていました。「神と使徒職に全身全霊を捧げたい!」と願っていたのです。
どのように? どの修道会で?
彼女は、トリノにある*コットレンゴの会を知り、「み摂理の小さな家」にいる重度の障がい者の世話をしながら、自分のいのちを喜んでささげようと思いはじめました。
*コットレンゴの会:聖ヨゼフ・コットレンゴによりトリノ市に創立され、貧しい人や身体障害者などの世話をする会。
コットレンゴの修道会の「み摂理の小さな家」
コットレンゴの会のシスターになろうと決心したテレサは、ある日、コットレンゴの会の長上に面会し、入会を願い出ました。そのときテレサは20歳になっていました。デリケートな美しさと、単純で上品な立居振舞いが、その姿にあふれていました。しかし、長上は彼女をよく見てから次のように言いました。「あなたはあまり顔色がよくないわ。あまりにも健康がデリケートです。村に戻って、もう少し元気になるようにしなさい。」
このことばを聞いたテレサは苦しみましたが、長上に頭を下げ、裁縫とカテキスタの仕事を続けるため、再びカスタニートに戻りました。