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どうしてシスターに?

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シスター マリア・ヨゼフィーナ 阿部皓子

母の胎内から準備された道

シスター阿部皓子


わたしの召命について語るとき、どうしても両親のことを話さずには通れません。

父は3代目クリスチャンで、母は20歳のとき受洗しました。両親は何よりも信仰を大事にしてわたしたちを育ててくれました。と言ってもシスターや神父になるようにと言われたことは一度もありません。自由に自分の道を選ぶようにと考えたからだと思います。ただ神さまのことをいつも優先し、キリスト教教育を受けさせるために、どんなに貧しく、食べるものがない状態でも、わたしたちを月謝の高いミッションスクールに入れてくれました。兄弟10人、全員がミッションスクールでしたから、毎月の月謝はどんなに大変だったかと思います。

家が貧しかったことは家族が一つの心になり、多くのことを学ばせ、創造力を豊かにさせて、何よりも神さまに心を向けさせてくれました。そして困っている人、やくざやお尋ね者、身寄りのない人たちを家に泊まらせ、いつもいっしょに暮らしていました。両親から、神さまへの愛、人への愛、ゆるす心、憐れみを心と体でぎっしり学んできました。小さい時受けた教育はたった15年だったにも関わらず、この信仰の遺産は、今わたしの中で生きる大きな支えとになっています。

母はやむをえず結婚生活を選びましたが、信者の家庭はこれでいいのか。始めは悲しい思いでいたということです。でも祈りの中で、子どもを授かったら、子どもが望めば神さまにささげたいと思ったとき、勇気と希望が出てきたと……。だからわたしにとってこの道は、ごく自然で神さまが母の胎内から準備してくださった召命の道だと、心の底から確信しています。

もう一つ決して忘れてはいけないことは、わたしがまだ1歳を過ぎたばかりのとき、消化不良で死ぬところを、父は姉を背負い、母はわたしを抱いて、「めでたし」(聖母マリアの祈り)の祈りを唱えながら、田舎から雨でぬかる遠い道を必死で病院に駆けつけ、あと1分遅かったら死んでいたと医者に言われたことは、何十回となく聞かされました。マリアさまが必要と思われて助けてくださったのです。

これほど神さまから愛され、この道を歩むためにすべてを整えて準備してくださった神さまに心から感謝!両親に感謝! 感謝を新たにしながら、精一杯神さまの愛に答えながらこの道を歩み続けたいと思います。


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