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どうしてシスターに?
シスター マリア・テレジア 井村勝子
思わず『はい』と言っちゃった
わたしが16歳になったころ、心の内に起こった問いかけは、人は何のために何をめざして生きるのか、ということでした。その答えを見いだしていない自分に気づいたとき、大きな不安を感じたのです。わたしはいろいろな人生書を読み始めました。しかし、なかなか納得できる答えを見いだすことができません。そんなある日、聖書の中の「わたしは道、真理、いのちである」(ヨハネ14.6)というイエスの言葉に出合いました。その時からわたしは、イエスが言われる道、真理、いのちとは何かを知りたいと、シスターや神父さまのお話に真剣に耳を傾けるようになりました。
こうして神との一致に至る人生の目的と意味を知ることになったのです。その2年後の復活祭の洗礼の日は、わたしの人生の大きな節目となりました。霧の中を歩いていたような今までの生活は、光が差し込んだように照らされ、わたしの足どりは確かなものになりました。
洗礼の折、3つの願いごとをしたのですが、その一つは、今からのわたしの人生を神のみ手にゆだね、そのお望みにかなう道を歩ませてくださるように、ということでした。洗礼のお祝いの席、冗談半分に一人のシスターに「来年の大学受験に失敗したなら、修道院に入りたい」と申しあげたのです。今にして思うと、神は早速わたしの願い事をお聞き入れになっておられたのでしょう。しばらくして、学校の廊下で他のシスターから「修道生活を望んでいらっしゃるそうですね?」と問われて、思わず「はい」と答えてしまったのです。その後も何度か、そんな問いかけを受けたお陰で、わたしの「はい」は固められていきました。
そして、聖パウロ女子修道会の門をくぐったのはそれから7年後のことでした。
かつてのわたしのように道、真理、いのちを探し求めている人の友となるように、コミニケーションの手段を使って人々と出会うミッションを、わたしは大きな喜びとしています。