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どうしてシスターに?
シスター マリア・テレジア 井上真紀子
一冊の聖書をとおして
わたしが初めてキリスト教に出会ったのは、カトリックの高校に入学したときのことでした。新入生は教科書とともに聖書も買うことになっていました。「信者でもないのにどうして買わなきゃいけないの?」という思いもありましたが、とりあえず買った聖書を本棚に置いていました。高一の終わり頃、「せっかく買ったんだし、ちょっと読んでみようかな」と聖書を開いてみました。あまりよく分かりませんでしたが、イエス様の弱い立場の人に対するやさしさ、「互いに愛し合いなさい」というみ言葉は、宗教に関係なく大切だと思いました。
その後、学校のチャペルでミサに与り、シスターにキリスト教について教えていただくようになりました。その時、はじめて「シスター」に出会い、他の人とはちょっとちがった雰囲気、何か「聖なるもの」を感じました。わたしは、「この方たちは、清い生き方をしているんだな」と、神様のために一生をささげているシスターたちの姿に惹かれていきました。
18歳の復活祭に洗礼を受けました。四谷のサンパウロに行ったとき、聖パウロ女子修道会の召命黙想会のパンフレットを目にして、その黙想会に参加しました。それ以来、修道院や書院に行き、シスターと接するたびに、「わたしもこんなふうに生きられたらどんなに幸せだろう……」と心を躍らせていました。
わたしは、聖パウロ女子修道会のことは「メディアを通して宣教する修道会」ということぐらいだけで、あまりよく知りませんでした。しかし、十字架にかかるほどわたしを愛してくださる神様の愛を知ったとき、その愛を人々に伝えることによって、神様の愛に応えたいと思うようになりました。メディアはメッセージをいち早く伝えることができ、人々に大きな影響力を持っています。わたしも、シスターたちのように自分の一生をイエス様にささげたいと決心し、会社を辞めて入会しました。
いろいろな弱さにもかかわらず、わたしが今まで歩んでくることができたのは、ただ神様のあわれみによるものです。修道会の姉妹をはじめ、多くの方々の祈りに支えられていることを感謝しながら、わたしを呼んでくださったイエス様に忠実に一日一日をささげていきたいです。