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どうしてシスターに?
シスター マリア・ジェズイーナ 緒方真理子
道を探し、歩き続けて
結婚しても、生涯かけることのできる何かを見つけること……高校時代から漠然と考えていた。
進学希望の大学の学部も将来かけてする仕事につながっていた。しかしすべりどめも含めてすべて失敗。浪人しない約束だったので出版社の事務系に就職した。夜間大学に通おうと思ったが、通学中の先輩をたまたま見かけた。暗ーい! これじゃ結婚の道から遠くなる。英会話を始めた。
これが結構お金がかかる。1年学校に通ったあと街の中心にある教会の英会話クラスに転向した。そこで信仰への道に招かれた。教会の横には女子パウロ会の書院があり、シスターの姿がかいま見えていた。わたしは結婚するんだから、あそこには近寄らないほうがいい、自分のなかで警報がなった。
受洗して教会での最初の手伝いは、あのシスターたちの修道院での雑用。次に日曜学校を頼まれた。スタッフには、あのシスターたちの一人がいた。否応なく書院への出入りが始まった。会社勤めも3年を経過。おもしろくなり、一生の仕事かと思ったりもした。
しかし春、能力ある女性より、頼りない男性が昇級した。なんだこれは! この仕事は一生もんじゃない。子どもたちにかかわるうち、児童心理を勉強したくなった。でも婚期を逃すわけにはいかない、短大に行こう。幼稚園の先生になれば結婚しても続けられる。なーんだ、わたしの生涯かける仕事はこれだったんだ!
会社を退職したとき、書院のシスターが、東京の本部で黙想会があるんだけどと声をかけてきた。黙想会?なんじゃそれはと思ったが、父親の転勤で東京に移っていた子どもに会いたかった。東京まで出れば、いろいろ行動できる。最後に黙想会とやらに行けばいい……。
黙想会に出てびっくりした。沈黙。まさか、と思ったが仕方ない。ようやく最後の日を迎えた。司祭は言った。「これは……の黙想会です」うん? なんの黙想会?「でも参加したみなさんはまだ若い。修道召命の道を決めなくていいです。ですが、自分が結婚の召命なのか修道召命なのか、どちらの道を進むのか考え始めてください」(ビリビリビリ……と稲妻が)
わたし? わたしは修道召命よ!! 短大を卒業して入会するまでは、弟が一人いるだけのノンクリスチャンの家庭、母の苦悩と父の怒りの荒波のなかを必死で泳いだ。
あれから26年。神のあわれみと導きのなかで、派遣された場所で全力を傾けて奉仕する毎日を過ごさせていただいている。