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どうしてシスターに?

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シスター マリア・アナスタジア 沢村記代子

この道こそ わたしの道

シスター沢村


右を見ても、左を向いても、人が苦しんでいる。病気があり、死があり、失望した人がいる。生きる意味がわからないまま、人は笑ったり、泣いたりしている。わたしもそのひとりだと痛感し、悶々としていた10代。わたしの父母はおしどり夫婦、兄弟は、お人好しで人気者の兄と7つ年の離れた妹がいる。家庭でいざこざが起こったことは全くない。平凡で落ち着いた家庭。

わたしにとって退屈で、人生とはこんな程度なのか? と疑問に思っていた。近所の人は、問題のない家族をうらやましいと思っていた人もいた。しかし、幸せな人生がこのようなものなら、わたしはもっと違った生き方をしてみたい。なにか意義のあることに自分のいのち、エネルギーを注ぐことができればと考えていた。真善美とか、最も崇高な愛とか、極めていく芸術家の生き方とかに憧れもあった。会社のオフィスで働いていても、友人たちとピクニックに行っても、なにか自分の姿でないような気がした。

どうすることがあるべき自分なのか?と考え、悩んでいた時、カトリックに出会った。二人の70代の女性がわたしをカトリック教会に誘ってくださった。直感的に、非常にはっきりと、わたしの道はこれだ!という気がした。そして、毎週カトリックの教理の勉強に通い、確信を深めていった。洗礼を受ける時には、誰かからの誘いがあったわけではないが、修道院に行く決心がついていた。

完全な奉仕の生活、神のものになる、その生き方がどんなものかまだ何も知らないのに自分の道はここしかないと思った。わたしの入会後、修練期に父母と妹がカトリックの受洗の恵みを得たことは、神が、「さあ、安心して進みなさい」と言ってくださったと思い、また確信が増した。

36年前、母に修道院に行きたいと告げた時、母は驚き、ひとりで神父様に初めて会いに行き、話を聞いてきた。そしてわたしに言った。「あなたは教会の娘です。神様にささげます、と神父様に言ってきました」と。そしてわたしは、すっと幸せにこの道を生きている。


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