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どうしてシスターに?

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シスター ピエランジェラ 矢野滋子

宣言

シスター矢野


「わたしは修道院に入ります」と、はっきり宣言したときのことを思い出します。
 そのころは、結婚すること以外は考えられなかった日々でした。健康と若さで休日は彼といっしょに登山、スキー、音楽会を楽しんだり、お互いにできる限りのことを協力し合って幸せでした。ところがわたしは不思議な力に動かされて、結婚を断り、修道生活を選んだのです。

40年も過ぎた今、自分の歩いてきた道をふりかえって見ると、これは神のご計画だったことで自分の力ではできなかった不思議なことだと思います。

その当時、わたしは修道院に近い麻布に住んでいました。たびたび修道院のミサにあずかったり、シスターの制服を受ける式典に参加したり、たまに召命黙想会に宿泊して参加したりしていました。でも、わたしとは異なる生き方だと決めていたので、あまり真剣に耳を傾けることをしなかったのです。

最初の黙想会のとき、青い目でちりちり髪の神父さま(イタリア人)の似顔絵を、説教中ずっと描いていたり、わたしは不まじめでした。でも何回か黙想会に参加しているうちに、少しずつシスターたちの生活が、自分だけの幸せではなく多くの人の幸せを願って、祈りとみことばを広めるために生き抜こうとしておられるということがみえてきました。

もしかしたらこのわたしも……と思ってみたり、やっぱり違うと思ったり、だんだん自分の生き方について考えるようになったのです。悩んだり、このことを考えないように逃げたり、苦しい日々が長く続きました。

決心が固まり「修道院に入ります」と言えた日から、わたしの気持ちはすっきして強くなったようです。その時から修道院に入るまでには、多くの反対や困難がありました。それらを乗り越えて入会し、生きがいのある生活をここまで過ごしてこられたことは、本当に奇跡のようです。わたしの人生が神の栄光となり、一人でも多くの人の幸せに役立つ存在でありたいと思います。

 月刊誌「あけぼの」や“Laudate”などの挿絵やイラス描いているます。また、絵本『マリアさま』『くりすます~きりすとさまのおたんじょう~』、児童書『イエスのおかあさんマリア』『クララ』(いずれも女子パウロ会)などの画も担当しています。


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