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シノドス(世界代表司教会議)

バチカン

第2バチカン公会議は、全世界の司教たちがバチカンに集まり、全世界とのかかわりの中で、教会が緊急に考えなければならないこと、変わらなければならないことなど、多くの問題を取り扱いました。

この公会議は、それまでの教会と、それ以後の教会とに一線を画するような実り多い、大切な、貴重な会議でした。しかし、ことあるごとに、全世界からすべての司教たちが集まることは事実上、不可能です。

そこで、教皇パウロ6世は、世界の各地から選出された、代表者の司教が集まって会議を開き、現代社会の中で教会が考えていかなければならない事柄を話し合う会議を開くことを決めました。これが「シノドス」です。

「シノドス(Synodus Episcoporum)」は、1967年にバチカンではじめて開催されました。

シノドスの特徴は、討議しても、決定権はないというものです。そこで話し合われた意見をまとめて、教皇に具申し、教皇がその提言を受けて、シノドス後に「使徒的勧告」という形で、文書を出すことになっています。

シノドスには、定期的に開催される通常総会と、臨時総会、特定地域の問題について取り扱う特別会議があります。

これまで、10回のシノドス、2回の臨時シノドス、そして大聖年前後に開催された地域別シノドスがありました。

期間・
開催地
主題 最終文書 教皇文書 邦訳
第1回 1967年9月29日-10月29日
バチカン
「カトリック信仰の維持と強化」 Ratione habita
(危険思想および無神論について)
(1967年10月28日)
Ultimis temporibus
(司祭職について)
(1967年11月30日)
第1回
臨時
1969年10月11日-28日
バチカン
「教皇と全司教の共同責任」
第2回 1971年9月30日-11月6日
バチカン
「司祭職および世界における正義」 Convenientes ex universo
(1971年11月30日)
『世界の正義』(中央出版社)
第3回 1974年9月27日-10月26日
バチカン
「現代世界の福音宣教」 「声なき人に代わって声をあげよう-人権と和解に関するメッセージ-」宣教司牧司教委員会編集・監修 Evangelii nuntiandi
(1975年12月8日)
教皇パウロ六世使徒的勧告『福音宣教』(カトリック中央協議会)『現代の教会と明日への福音宣教-1974年シノドス関係文書集-』(カトリック中央協議会)所収
第4回 1977年9月30日-10月29日
バチカン
「現代の教理教育」 総括文書:「神の民へのメッセージ」「34の命題の目録」 Catechesi tradendae
(1979年10月16日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『要理教育』(カトリック中央協議会)聖職者聖省『信仰教育の指針』(中央出版社)所収
第5回 1980年9月26日-10月25日
バチカン
「今日の世界におけるキリスト者の家庭の役割」 Familiaris consortio
(1981年11月22日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告(カトリック中央協議会)
第6回 1983年9月29日-10月29日
バチカン
「教会の使命としての和解と償い」 Reconciliatio et paentientia
(1984年12月2日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『和解とゆるし』(カトリック中央協議会)
第2回
臨時
1985年11月24日-12月8日
バチカン
「第2バチカン公会議の再確認」 Ecclesia sub verbo Dei mysteria
celebrans pro salute mundi
(1985年12月8日)
『神のみことばで世の救いのためにキリストの秘儀を祝う教会』(カトリック中央協議会)
第7回 1987年10月1日-10月30日
バチカン
「教会と世界における信徒の召命と使命」 Christifideles laici
(1988年12月30日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『信徒の召命と使命』(カトリック中央協議会)
第8回 1990年9月30日-10月28日
バチカン
「現代の諸状況と司祭養成」 Pastores dabo vobis
(1992年3月25日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『現代の司祭養成』(カトリック中央協議会)
第1回
ヨーロッパ特別
1991年11月28日-12月14日
バチカン
「わたしたちは、わたしたちを解放してくださったキリストの証人である」
アフリカ特別 1994年4月10日-5月8日
バチカン
「アフリカの教会と2000年に向けてのその福音宣教の使命『あなたがたはわたしの証人となる』(使徒言行録1・8)」 Ecclesia in Africa
(1995年9月14日)
第9回 1994年10月2日-10月29日
バチカン
「教会と世界における奉献生活とその使命」 Vita consecrata
(1996年3月25日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『奉献生活』(カトリック中央協議会)
レバノン特別 1995年11月26日-12月14日
バチカン
「わたしたちの希望であるキリスト―キリストの聖霊によって新たにされたわたしたちは,キリストとの連帯のうちにその愛をあかしする」 Une esperance nouvelle pour le Libanon
(1997年5月10日)
アメリカ特別 1997年11月16日-12月12日
バチカン
「生けるイエス・キリストとの出会い-回心、交わり、アメリカとの連帯への道」 Ecclesia in America
(1999年1月22日)
アジア特別 1998年4月19日-5月14日
バチカン
「救い主イエス・キリストとアジアにおける愛と奉仕の宣教『彼らがいのちを豊かに受けるように』(ヨハネ10・10参照)」 Ecclesia in Asia
(1999年11月6日)
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告『アジアにおける教会』(カトリック中央協議会)
オセアニア特別 1998年11月22日-12月12日
バチカン
「イエス・キリストとオセアニアの民-キリストの道を歩み、キリストの真理をのべ、キリストのいのちを生きる」 Ecclesia in Oceania
(2001年11月22日)
第2回
ヨーロッパ特別
1999年10月1日-23日
バチカン
「教会に生きておられるイエス・キリスト-ヨーロッパの希望の源」 Ecclesia in Europa
(2003年6月28日)
第10回 2001年9月30日-10月27日
バチカン
「司教-世の希望のためにイエス・キリストの福音に仕える者」 Pastores gregis
(2003年10月16日)



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