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お薦めシネマ
心の傷を癒すということ
2021年 1月
- 原案:安克昌『心の傷を癒やすということ』(作品社刊)
- 脚本:桑原亮子
- 音楽:世武裕子
- 主題歌:森山直太朗
- 出演:柄本佑、尾野真千子、濱田岳、森山直太朗、キムラ緑子、石橋凌、上川周作、趙珉和、近藤正臣、浅香航大
- 配給:ギャガ
2020年 日本映画 116分
- ギャラクシー賞2020年2月度月間賞
- 第46回放送文化基金賞番組部門テレビドラマ番組最優秀賞、演技賞
「心の傷を癒すということ」は、2020年1月から2月にかけて、NHK総合テレビで4回に渡って放送されたドラマを劇場版にしたものです。この作品は、阪神・淡路大震災で被災した精神科医師の安克昌氏が、ご自分の体験を書いた書籍『心の傷を癒すということ』を土台に、安先生のおいたちと心の傷に病む人々に寄り添う安先生の姿を追ったもので、ギャラクシー賞2020年2月度月間賞、第46回放送文化基金賞番組部門テレビドラマ番組最優秀賞、演技賞を受賞しました。
自身の両親・兄弟の様子や、妻・終子との出会い、心を病む人々とのかかわり、震災後の避難所の人々への訪問、中間とのジャズセッションでピアノを弾く安先生など、印象に残る場面が多く、安先生を演じる柄本佑さんが、落ち着いた雰囲気を出していて、とても心に残るドラマです。そのドラマが、劇場版に編集しなおされ、再度多くの人に届けられることとなりました。
物語
韓国籍ゆえに、人々から認められない苦労をしてきた父親(石橋凌)は、息子たちに大きな期待をかけていた。医学部に通う次男の和隆(柄本佑)は、東大に通っている優秀な兄・智明(森山直太朗)と比べられ、精神科を選びたいと父に言えないでいた。親友の湯浅(濱田岳)や学生中間とのジャズセッションで、心おきなくピアノを演奏するときだけ、父親からのプレッシャーを忘れることができた。そんな和隆を、母(キムラ緑子)と弟の荘介(上川周作)は優しさく見守っていた。
(C) 映画「心の傷を癒すということ」製作委員会
自分の居場所がつかめず不安定だった和隆は、終子(尾野眞知子)と出会いやすらぎを得る。尊敬する精神科医の永野先生の著書から影響を受けた和隆は、精神科医となり心を病む人々の治療をしていたが、そんな中、阪神淡路大震災が起きる。
(C) 映画「心の傷を癒すということ」製作委員会
(C) 映画「心の傷を癒すということ」製作委員会
自身も被災者でありながら、避難所や仮設住宅にいる人々を、後輩の北林(浅香航大)とともに訪問する和隆は、被災者たちの心の傷や苦しみと直面する。そんな和隆を、ある日、出版社の谷村(趙珉和)が訪ねる。
タイトルのとおり、心に傷を持つ人々にどうかかわっていったらいいかと、日々探っていた安先生の優しさに、多くの人が出会って欲しいと思います。ていねいに作られたことが分かります。エンディングがステキです。ぜひ、ご覧ください。